声優の起用の話

毎度のことですが、完全に妄想です。根拠ありません。
きっかけは大分前のものだがこれ。おそらく声優の業界の関係者が業界から足を洗うにあたってあとは野となれ山となれという感じで妄想の名のもとにいろいろ語っているというもの。もちろん本当に妄想の可能性もある。確かこの時期声優のプロダクションかなんかの社長だかが逮捕されたんだっけか? まあそのあたりのことはよく知らない。それはともかく、リンク先での話題はどの声優が枕営業をしているかという話だ。結論としてはほとんどみんなしている、意外とエロゲ上がりの人はしてなかったりする、男性の声優も場合によってはターゲットになっていたりする、などなど。まあそこで語っている本人がいっているように、すべて信じるに値しないことかもしれない。まあそれはそのとおりなのだが、気になったのは枕営業が可能になる条件は何かということだ。端的にいうと、仕事を恒常的に供給することのできるリソースを一部の人間が握っているということだ。素人考えだと二通りの可能性があるのかなと思う。第一に所属するプロダクションが大きい場合、問題になるのはそのリソースを内部でどう配分するかということになるのかと思う。そうすると枕営業の対象はプロダクションのお偉いさんとかになるのかと。それに対して、プロダクションの大小にかかわらず、(おそらくマネージャーと組んで)個人プレーが可能な場合、個々の作品において人事権を握っている人(プロデューサーとか監督とか音響監督とかになるのかな?)に個別にアタックすることができるかと思う。前者よりも後者の方が声優自身が主体的に振る舞えるのだろうか、よくわからんが。

多分、仕事を供給するためのリソースを確保することは重要だと思う。確か永井一郎だったと思うが、声優の待遇が非常に悪かったということをかつて訴えていたと思う。これまた素人考えでいうと、声優の世界では俳優のそれと違って長いこと「この人でなければいけない」といった、なんというか、タレント性といえばいいのだろうか、そういうものを持った人が非常に限られていたのではないだろうか。もちろんいないわけではないだろう。そういう人は問題なかったかもしれない。しかしそうでない人、そして将来そういうものを獲得する見込みがある人がいるとき、その人に供給する仕事がないとなると、それは業界として先細りになってしまうだろう。その意味ではあらかじめリソースを確保する必要は絶対にある。仕組みとしてはそれは談合といってもいいかもしれない。まして声優の業界(そういうものがいつから生まれたか知らないが)は異業種(俳優)に常に脅かされてきただろう。そういった異業種から守るため、あるいは若手の育成のため、こういった談合的な仕事の再配分は有効に機能した部分もあっただろう。しかし多くの談合がそうであるように、リソースの集中はすべからく権力の集中を生むから、そのことによってパワハラ的な問題も生むだろう。枕営業というのはその現れの一つなのかもしれない。

しかし僕が最もいいたいのは(もちろん妄想に基づいてだが)そういうことではなくて、こういったことは声優の活動を含めた音響制作というアニメ制作の一部のみならず、その全体に影響を及ぼすのではないかということだ。まあ芸能界でいえばジャニーズみたいなものか。監督をはじめ制作側と声優のプロダクション側で意見が対立して後者が押し切るといったケースもあるかもしれない。わからんが「そんなこというんだったらうちの声優みんな引き上げるよ」とかいわれたらアニメ制作自体が立ち行かなくなる。なんか根拠なくかいてきてそんなことあるんかいなとか思ってきたが、まあ妄想なのでよい。でもまあいえるだろうことは、アニメーション制作側と声優のプロダクション側で利害関係が一致しないことはあり得るだろうということだ。で、こう考えて初めてジブリ映画に素人のようなタレントがしばしば起用されることの説明が出来るのではないか。もちろん宮崎駿とかの好みの問題もあるだろう。しかし同時に、声優プロダクションの意向をあまり反映しなくてすむ制作体制をつくることが作品全体の制作に資すると考えるものがいたとしてもおかしくないのではないだろうか。まあでもジャニーズのタレントを使う方がよっぽど面倒くさい気もするが。そこらへんは妄想ということで。

で、このことはシンプソン問題でもいえるような気がする。僕がこの問題で得た知識は宇多丸のラジオからだけだが、そこで語られたことのほとんどが起用されたタレントがだめだということだったと思う。しかしそういうことを訴えるよりも、タレントを起用することのメリット、従来の声優を起用することのデメリットを考えた方がいいのではないか。この問題の前後に山寺宏一がブログかなんかでコメントをかいて、ちょっと話題になり、それについてちょっとエントリーもかいたが、そこでもかいたように、この問題は作品を制作するにあたっての倫理の問題とかそういうことではなくて、純粋に労働の問題だ。自分たちが苦労して獲得してきた労働のリソースを漁父の利のように奪われることはごめんだ、といった声優たちの態度表明だ。しかしそうして獲得されたリソースを独占することによって上記のような枕営業、まあ僕は枕営業がそんなに悪いことだとは思わないが、まあ枕営業という慣習があるなら多分それにまつわるパワハラセクハラ的なことは起こっているだろう。だとしたらそれは問題だろうし、こういう慣習によって割を食っている人もいるだろう。それはともかく、シンプソン問題のようなことを本当に解決しようとするならば、こういったリソースを市場に解放するしかないと思う。まあそんなことは不可能だろうが。そもそも芸能と市場性がどれだけなじむのかがよくわからん。

なんか自分で何かいているかわからなくなってきたのでもうやめる。